斑入りの世界〜観葉植物
先日のNHK「美の壷 ー観賞植物ー」。
モンステラのマニアックなやつがいるということで、ディレクターの中島さんが訪ねてきてくれた。そこで、僕のサイトを見て中島さんが興味を持ったと言う、モンステラの芽の出るところの話や、斑入りのマニアがいること、モンステラの陰を天井などに映して楽しんでいる人たちが多いなどを話し合った。
そのまんま美の壷に反映していただき、なおかつモンステラ、かなり目立たせてくれたようだ。
でも、僕もそれほど詳しくない、日本ならではと言う斑入りの世界を掘り下げてくれたのが面白かった。
特に「万年青」の世界。
噂には聞いていたが、本当にマニアックだ。
誰かのブログで「盆栽はやるけど万年青はやらない」みたいなことが書いてあった。
日本を代表する観葉植物(というより古典園芸植物という方がいいが)「万年青(おもと)」。
万年青の世界で、葉の形、凹凸、斑の入り方などを「芸」という言葉で表現するらしい。
様々な種類を掛け合わせて、新しい芸を生み出す。
しかし、その生み出された芸を安定させ、一代限りではないことを証明して、新しい種として登録するまで10年かかると言う・・・
モンステラの学名が何だ・・・とか言っているのが申し訳ないくらいディープで「オモト道」とでも言うべき確立された世界だ。
江戸時代や明治時代には、珍しい品種は今で言う1億円レベルで取引されたらしい。
モンステラでもとても人気のある「斑入り」。
日本人独特の繊細な感性が、ひとつとして同じものがないあの斑の模様に引きつけられるのだろう。
しかし今回は、25分という短い番組。さらにモンステラをかなり主役にしていただいたため?、これらのことが「ツボ」として扱われたが、観葉植物の世界は広い。
サボテンやエアプランツ、多肉植物、アクアリウム、洋蘭、盆栽・・・
そして僕がモンステラマニアでも一番提唱している「インテリアデザインとしてのプランツ」。
番組中「アーキテクチュアルプランツ」という考え方を紹介していたが、まさにあの辺のことを掘り下げた書籍や番組は、日本ではほとんどない。
椅子やテーブルなどの家具と同じ目線で、観葉植物をインテリアデザインとしてとらえたときに、どういう植物をどのように仕立てたらかっこいいかを考えると、まだまだ新しい観葉植物の楽しみが増えていくはずだ。
僕がモンステラマニアで紹介して流行した「根立ち(幹あがり/根あがり・最近は「朴」と言うらしいが)」仕立てのモンステラは、まさに生産者達が気づかなかった、インテリアデザインとしての観葉植物の需要だ。
まだまだ、気づかない観葉植物の魅力がありそうだ。