今日は床の話

 毎週水曜日更新の【モンステラマニア日記】。あれ?先週は…
早速しれっと飛ばしてしまったが…お盆休みということで…


■DIYで独特の雰囲気に

 僕はミッドセンチュリーデザイン好きで、さらにDIY好き。まあ、DIYは正確には好きというより、安くあげるためというべきか…
やりたいことが多いので、お金はいくらあってもたりない。ならば自分でできることはやってしまおうということである。
もちろん、職人さんや、すばらしいプロダクトを作り上げるメーカーの技術力にもリスペクトはあるので、任せるところは任せる。やれることはやる。

 で、今日は床の話。
 床はインテリアにおいてイメージに与える影響はとても大きい。にもかかわらず、なかなか思った通りのものにはできない。普通なら一般的なフローリングのなかから、せいぜい素材を選ぶだけ。ちょっと予算をかければ、高級な無垢材にしたり、ヘリンボーンばりなどの張り方を変えることができたりするが、そもそもミッドセンチュリーデザインのインテリアで、いわゆる板張りの床はあまり見ない。多いのはカーペット敷きだが、それ以外は、リノリウムだったり、コンクリートだったり、大理石だったり。あこがれはてっぺい石の石張りあたり。しかしどれも意外とお金がかかる。結局普通のフローリングが圧倒的に安かったりする。

 今の家に引っ越して、内装をほとんどリフォームすることになった時、とにかくお金はかけられないが、何とか「普通じゃない」床にできないかとあれこれ素材を探して行き着いたのが、MDF。MDFの板を90cm角にカットして床にするということ。MDFはとにかく安くて簡単に手に入る。床材にするには点での圧縮には弱いようだし、やった前例を見つけることができなかったが、勢いで貼ってしまったのは15年前。金額的には安いフローリングよりさらに安い激安床材! 表面にはニスを塗りまくり。ニスを思ったより吸い込んでしまう性質だったので、光沢が出るまで何度も塗るのは大変だった…。使ってみると、強度的にもあまり問題なし。巨大なソファーの細い脚はちょっとへこんでしまったが、自分で貼ったので、そこだけ張り替えることだってできる。90cm角の目地付きでこの雰囲気は他にないだろう。ニスと経年変化で色が濃くなって、さらに何ともいえない雰囲気になってきた。

床、白玉石のプランツ台、ラタンのパーティションは全部DIY。

 とにかく大変だったのは貼る前にニスを塗ったら全部反りあがってきたこと。引っ越しの荷物のダンボールを重しにして、なじむまで数日かかってしまった…。目地も大変だったが、慣れるに従ってどんどんスピードアップ。後半は職人さんレベルの仕上がりに。
 ちなみに下地はコンパネが貼ってあり、試しにそのまま貼ったら歩くとボンボンと安っぽい音がするので、防音と断熱をかねて断熱フェルトを筋状に貼っている。マンションだが、1階でしかも床下がある戸建てのような構造という変わったつくりだからできた荒技でもあるか…。

リフォーム当時の写真。
ニスが染み込んでムラになり、途方に暮れてるところ。さらに反りあがって大変に。
3度塗りして重しを載せてなじませた。

■ベランダと床を同じ高さで

 インテリアショップ「モダニカ」がまだ目黒通りにあったころ、青山には系列店の「ケーススタディーショップ」があり、そこで「ミッドセンチュリーデザイン建築の5大要素」的なタイトルの展示会を、そこの社長と共同でやったことがあった。そのなかに、「内と外の連続性」というような項目があり(正確には覚えていないが)、床や壁などが、同じ素材、同じレベルでガラスの仕切りを越えて連続して続いていくのがミッドセンチュリーデザイン建築では重要な手法のひとつであることを提示していた。古いマンションのリフォームレベルでそれを実現するのはなかなか難しいが、いろいろ工夫のしようはある。

ベランダと床の高さを合わせる。
MDFにニスを塗った光沢感が独特。

最初は白玉石を敷いたプランツ台を窓際に置き、それとおなじ白玉石をベランダに敷き詰めて連続性を持たせてみた。石の下には自動水やり機のホースも仕込んである。しかし白玉石は掃除が大変!ベランダの改修と同時にやめてしまった。
 そこでこんどは、良くあるようなウッドデッキを、室内の床と同じ高さでDIY製作。素材感は違うのがちょっと残念だが、高さ的には連続性を持たせられた。

 こんな感じで、DIYを駆使して、ミッドセンチュリーデザインにあったインテリアを模索している。古いインテリアには、現代の建材が似合わなかったりするので、素材の選択肢を広げるためにはDIYも武器になる。

 ということで今日は床の話でした。

 インテリアの変遷はこのあたりの雑誌等に掲載。
最新のインテリアは昨年発売された「昭和インテリアスタイル」で見ることができます。こちらの書籍はなかなか見応えあり。

昭和インテリアスタイル
北欧インテリアと雑貨
SUCCESS WORK STYLING

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