ヴィンテージマンション読本

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 リクルートの雑誌 “住宅情報・都心に住む” で、昨年に続いて、「ヴィンテージマンション」の特集やってますね。今回は「タイプ別ヴィンテージマンション分類」という特集まで組んで、解説してくれます。自分で「ヴィンテージマンション」という言葉をつくっておきながら、こういった安易な造語には否定的な僕ですが、この特集はなかなかおもしろいですよ。高級マンションで有名なホーマットをホンマタカシさんが撮った写真はかっこいいし・・・
 ヴィンテージマンションに必要な要素として、様々な人が様々なことを言っていますが、多くは「立地」「管理の良さ」「年代を積み重ねた風格」・・・なかには、「庭や大木」「近くに大使館や寺社」なんてのも・・・。うちのマンションはほとんど当てはまってるな。でもうちはどう見ても“ヴィンテージ”というよりは“掘り出し物”という言葉の方がにあうかな。
 今までは一部の人たちがマニアックに探し求めて住んでいた、単なる中古マンションではない「古いマンション」。僕が今のマンションに住み始めた時も、そういうものがいいと言っていた人は一部のマニアだけ。もっと「古いからこそ良いマンション」に注目が集まってもいいんじゃない?と言う気持ちで「そのうちヴィンテージマンションブームもくるんだろうな」と書いたのが3年前ですが、こんなに早くブームが来るなんて。
 でも、古いマンションもすぐに「建て替え」ということではなく、そのまま長く住んでいこうという風潮になってきたことはとてもいいことですね。

カップ&ソーサー

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皆さんのお気に入りのカップは何ですか?
 僕はコーヒーが好きで、仕事中にも、エスプレッソ、カプチーノ、ドリップ・・いろんなコーヒーを自分で入れて飲んでます。今回は僕のお気に入りカップ3点をご紹介。
 左の真っ赤なカップ&ソーサーはナンセンスで買ったもの。以前インテリア雑誌の編集長がブログで「真っ赤なカップってあまりない」と書いていましたが、たしかに意外とないんですよね。しかも、この持ち手と、真っ平らなプレート状のソーサーが気に入って買ったのですが、ソーサーはテーブルから持ち上げる時に指は入らないし、穴の開いてない持ち手はとても持ちにくいし・・・。でも、この赤には惹かれますね。“gozan TOEN”製なのですが、WEBでしらべると「五山陶園」という言葉が出てくるのみで、全く情報なし。知っている方がいたら教えてください。
 真ん中のブラウンのカップは60sアメリカ製。僕のイラストにもしょっちゅう登場している大のお気に入り。このシルエットは本当にかっこいい。ソーサーがいらないので、いちばんよく使うカップです。
 右のカップ&ソーサーは、吸い込まれそうな青に惹かれて、思わず買ったのですが、シンプルなのに、逆テーパーのシルエットと、この吸い込まれるような青が、本当に美しいです。
 これは白山陶器のM型シリーズで、デザインは森正洋。最近復刻されてようで、白山陶器のWEBサイトで紹介されています。

電球?蛍光ランプ?

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 かっこいいインテリアに欠かせないのが一室多灯照明です。せっかく椅子やテーブルをうまくコーディネートしても、天井にペンダントやシーリングが一つ煌々と照らしているのでは、味気ない部屋になってしまいます。ペンダント照明やスタンドをうまくコーディネートすると、広く見えたり、落ち着いた感じになったり、見違えるようなインテリアになります。僕の部屋にもリビングだけで照明は6個。部屋の壁やコーナーをうまく照らすと、一灯の照明で明るく照らすより低い照度でも、ずっと明るく感じ、しかも落ち着いた雰囲気になります。
 しかし、たくさんの照明器具を使うと、気になるのは電気代や夏場の温度。そこで必需品なのが「電球型蛍光ランプ」です。「蛍光灯」というと、店舗やオフィスの天井に輝く、あの青白い光を思い浮かべ嫌う人がいますが、最近の蛍光灯は光色もいろいろ、電球と同じ暖かみのある光を出す「電球色」も一般的。さらにかたちまで電球そっくりの電球型蛍光ランプも進化し、以前はそっくりと言いながら重かったり、大きかったりしたのですが、いまでは一見わからないくらいそっくりになりました。
 60wの電球を4つ使うようなペンダント(合計240w)の代わりに60w相当の電球型蛍光ランプを6個つかっても12w×6で合計72w。一個あたりの消費電力は1/5。発生する熱も1/5です。
 ちょっと前まではインテリアコーディネータや建築家でも、「落ち着くインテリアには蛍光灯より電球です」と安易に発言している人が多くいましたが、僕の部屋に来て蛍光灯だけであることに気づいた人は今までいません。
 そんな優れもの「電球型蛍光ランプ」に、さらに電球にそっくりなものが発売されたので、買ってみました。写真でわかるとおり、昔の電球型蛍光ランプにあった根元部分の回路があって光らない部分がほとんどなくなり、さらにガラスが半透明で中心から外側、根元に向かってグラデーションになる部分は、ちょっとマニアック過ぎるほど電球に似せています(笑)これがスタンドなどに着いている状態をみたら、一見して見分けられる人はほとんどいないでしょう。
 僕のように古い照明を使っている人には、このランプは特に助かります。電球の代わりに入れられる大きさ(大きいと入らないことがある)であることと、発熱量が小さいため、プラスチック製の器具などを傷めにくいこと。そして、W数の小さいランプ用だった器具にもっと明るいランプを入れて、用途を変えることもできるのです。
 しかし、ここまで電球そっくりになった電球型蛍光灯にもまだまだ改善してほしい部分がたくさんあります。一つは調光機付きにつけられないこと。もう一つは、いまだに、つけてから少したたないと明るくならないこと。そして、電球型蛍光ランプだけの時は、電球と見分けがつかない暖かみのある光色ですが、電球と並べると、やっぱり違う色で、一緒に使うと違和感があります。メーカーさん。あとちょっと、がんばってください。
(そのメーカーにもともといたので苦労はよくわかるのですが・・・)
 でも、現在のインテリアコーディネートでは欠かすことのできないアイテムです。皆さんもためしてみては。
【写真】東芝ライテックから発売された電球そっくりの“ネオボールZリアル。マニアックなほど電球そっくり?

ヴィンテージマンション

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 昨年暮れから続いている耐震偽装のニュースも、どんどん泥沼の問題になってきてるような気がしますが、一方では耐震性能がどれくらいなのか全く未知数の古いマンションが、何万戸も売買され続けている状況があるわけで、「人の命がかかっている」ということからすれば、こちらも何とかしなければと思いながら、昭和43年築のマンションに住んでいる私は、今日ものほほんと暮らしています・・・。
 一方では最近、古いマンション、なかでもちょっと高級で立地もよく、現在も人気の高いマンションを「ヴィンテージマンション」と呼んで流行っているようです。僕が初めて目にしたのは、一昨年10月の「都市に住む」という雑誌だと思います。いまではテレビでも紹介されるし、WEBで検索すると、膨大なサイトがヒットし、その代表として広尾ガーデンヒルズがすっかり有名になってますね。
 先日、何気なく「ヴィンテージマンション」についてWEBで情報を集めていると、日経住宅サーチのコラムで「広めたのは「都市に住む」という雑誌、言葉をつくったのは○○氏」と書いてありました。ふ~ん、なるほど・・・と読んでいて、ふっと思いました・・・「この○○氏、聞いたことあるぞ」・・・と。
 昨年のメールを検索してみると、確かにメールをもらった人。60-70年代のマンションを中心に売っているおもしろい不動産屋なのだが、僕のWEBを見て、古いマンションをうまく紹介する方法はないかと相談された人だ。
 そしてさらにWEBを検索すると、なんと、自分のWEBがヒット。2003年2月、60年代のマンションに引っ越したばかりの僕は、自分のWEBのコラムで、「今はヴィンテージ家具が流行っているが、僕みたいな古いマンションが好きな人が増えて、そのうちきっとヴィンテージマンションブームがくるだろう」と書いているではないですか・・・。
 “ヴィンテージマンション”なんて、また言葉を消費するような造語をつくっちゃって・・・と思ったりもしましたが・・・この言葉、つくったのは自分だったのか?!! (注:その方が、そのコラムを見たかどうかはわかりません)
 いずれにしろ、古いマンションも大事にされるのであれば、大歓迎。しかし地震にも耐えられるようにしておかないとね。
【写真】都心でも緑に囲まれ、わき水でできた池があり、鳥の声しか聞こえない我が家は、ヴィンテージマンションというよりは・・・

東芝の扇風機

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 夏の暑さも忘れた・・というほどすっかり秋も深まってしまいましたが、何年も探していた扇風機をやっと手に入れました。すごいデザインでしょ?木製の、まるで額縁の中にファンがついてます。縦に透明なルーバーが8本ついており、これが別モーターで動き、風をスイングさせる機能までついています。
 年代不明の東芝製で、東芝デザインの知り合いにも聞いてみましたが、いつの時代のものかよくわかりませんでした。ファンやモーターのあたりがもう一つ持っている60年代の東芝扇風機とそっくりなので、そのへんかもしれません。
 アマダナが扇風機をつくったら、これに近くなりそう。
 でも、このデザイン、やはり古いデザインだけあって、ガードなどのデザインが野暮ったく、見ようによっては電気ストーブにも見えますね・・・・
 
 この扇風機について何か知ってる方がいましたら、情報お願いします。

LIVESTRONG

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 最近、腕にリストバンドをした人をよく見かけますね。白いのが多いけど、白は貧困撲滅キャンペーンのチャリティー。有名人がたくさんしているので、いちばん知名度が高くなっているようですが、チャリティーとして、リストバンドをつけるようになった最初の運動は、このイエローリストバンド「LIVESTRONG」。
 今年、自転車ロードレースの最高峰「ツール・ド・フランス」で前人未踏の7連覇を達成し、引退したランス・アームストロング(アメリカ)が、偉業を達成する以前に癌で生死の境をさまよい、そこから復活してのツール7連勝。癌研究などに資金を提供する財団を設立しました。そして、ツール・ド・フランスのリーダージャージカラーであるイエローを使ったこのリストバンドをチャリティーとしてナイキが発売しました。アームストロングの名前と、「強く生きろ」という意味をかけての「LIVE・STRONG」。
 昨年あたりは海外の有名スポーツ選手などが身につけているのをTVなどで見かけましたが、日本では自転車ロードレース好きの一部の人たちの間にしか知られておらず、今年始まった「ホワイトバンド」の方が、国内のNGO団体の活発な活動もあって、有名になったようです。
 シンプルなリストバンドがファッション的にも注目されているようで、便乗商売の商品もたくさんでているようです。アメリカやヨーロッパでは、チャリティーとしても、たくさんでているようで、白と黒の人種差別撲滅キャンペーンや、パープル、グリーン、オレンジ・・・ブルーだけでも3種類くらいと様々な似たようなキャンペーンがおこなわれているとか・・・・。
 これでお金が集まって、人の役に立つのなら良いことですが、ここまでいろんなものが出回って、「黄色いのは偽物?」なんて思われたら困っちゃいますね。
 楽天やYahooショッピングなどでは、ひとつ1ドルで送料入れても2ドルはしないものが、500~700円で売られているし、キャンペーンの趣旨の説明も書いていない。
 チャリティー物の便乗や、まねはちょっと倫理観を問われますね。そんなにいっぱいリストバンドできないし・・・違うものつくればいいのに。
ここで買えます。
http://www.livestrong.org/

インテリア素材としての『石』『タイル』

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 最近、「石」と「タイル」がきてますね。10年くらい前からはじまったミッドセンチュリーブームでは、「木」が大人気でした。でも「石」も「タイル」(煉瓦も含めて)もミッドセンチュリーインテリアには欠かせないアイテム。加工や施工が木より大変な「石」や「タイル」は人件費の高い現代こそ贅沢品だから、なかなか使いづらいのですが、素材としての質感は、他にはない重厚感と大人っぽさを感じます。
 昭和40年代くらいまでの喫茶店が、最近若者に人気がありますが、この時代の喫茶店の壁や床には石やタイルがよく使われています。特に壁に大きなアート作品のように石やタイル、ガラスなどが貼ってある喫茶店は圧巻ですね。最近わが家の近くにそのころの喫茶店をイメージした新しいお店ができたので入ってみましたが、石やタイルは全く使われておらず、表面的なレトロインテリアという感じがしてしまいます。最近の店では原宿の「モントーク」の内装を見た時に、タイル使いの上手さに「やられた。かっこいい!」と思いました。
 1980年代のインテリアは素材感のないインテリアでした。90年代にミッドセンチュリーブームと共に、素材のもつよさに、みんなが気づきはじめたのでしょう。いままでは「床を張り替える」といえば、ほとんどの人が「木のフローリング」しか思いつかなかったと思いますが、「タイル」は木よりも床暖房にも非常に適した素材。夏は涼しく、実は日本にぴったりな素材なのかも。床暖房が一般的になってきたし、タイルや石の素材も、新しい施工方法や新しい商品が増えてきて、これからはますます使いやすくなるのではないでしょうか。
 僕も引っ越しをして、内装を全部自分でつくっていた時に、床はタイルにしたいと思いました。なかなか良いタイルがなかったので、味のある昔のデッドストックタイルが売っているお店に行ったのですが、そこは残念ながらなくなってしまいました。(今でも売っているお店を知っている方がいましたら、是非教えてください!)
 今は壁に石か煉瓦を貼ろうとしているのですが、すでに構想2年。いつ完成することやら・・・
 これから「石」「タイル」は注目素材です!
※写真は、(上)わが家の玄関。古いマンションなので、共用廊下も玄関もこの石張りである。(上から2番目)家具屋の友達にもらったモンステラ柄のタイル張りテーブル。(下から2番目)ソファーにつているテーブルの天板の大理石。(下)40年以上続いている喫茶店恵比寿の「喫茶銀座」。

雑誌『モダンリビング』-リビングバス・プライベートバス-

 アシェット婦人画報社の雑誌『モダンリビング』2005年 7月号に、バスルームが特集されています。内容は、バスをリビングに取り込んだり、家族それぞれの部屋にプラベートなバススペースがあったりというもの。いくつかイラストを掲載しました。
 昔から洋画などでは、でかいリビングにポンとバスタブをおいて、泡泡のお風呂に女性が入っているシーンや、まるでリビングのような絨毯張りのバスルームなどでてきますが、日本ではなかなかそういった部屋を見ることはできませんね。
 でも、最近流行の個室露天風呂付きの温泉旅館などでは、畳の間とつづきになって、お風呂がついている部屋などがあります。新築住宅などでは、バスルームとベランダやバルコニーが一体となったものも最近の流行です。
 昔の日本の部屋では、狭いし天井は低いしで、やはり湿気などを考えると、リビングでお風呂というのは現実味がなかったでしょうが、最近では吹き抜けのある大空間は日本でも常識。リビングにバスタブを置く人もそろそろでてくるのではないでしょうか。
 ちなみに僕はどちらかというと、風呂上がりを楽しむ方なので、シャワーだけでもいいくらい派です。ヨーロッパの家具見本市などに行くと、様々なかっこいいシャワーブースもよく目にします。電話ボックスのようなシャワーブースに、たまにはお湯も溜められるなんていうものもあります。
 これからは、ますますお風呂の入り方、バスルームのあり方も人それぞれ、さまざまなスタイルがでてくるのでしょう。
http://www.modernliving.jp/modernliving/
http://www.jaxson.co.jp/
http://www.inax.co.jp/

モダン・リビング・プランツ

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 プランツ用の台をつくってみました。ミッドセンチュリーハウスにはよくあった手法で、部屋の隅や、廊下の隅にプランツコーナーがつくってあって、砂や砂利を入れ、直接プランツを植えたり、スタンド付きのポットをおいたりします。そんなイメージでつくりました。これは、台になっていて、したにキャスターを付け、稼働することができます。白玉砂利はベランダに敷き詰めたものと同じ。
 暖かくなってきたら、一斉に新芽を出し始めたモンステラです。

最近はまっているもの〈サイクルジャージ〉

最近僕がはまっているもの。
サイクルジャージの古着です。
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最近また、大量にゲットしました。
自転車のロードレーサー(ツールドフランスとか、ジロデイタリアとかはご存じでしょう?)が着るジャージです。
最近のものは最新素材で、プリントも自由だし非常に薄く軽くできています。
僕が集めているのはもっと昔のもの。古いものはニットが多いです。その後には厚手のジャージ素材があります。プリント技術がなかったので、切り返しの大柄なパターンが多く、また、かなりタイトなシルエットが多いのがおしゃれです。
ドロップハンドルの自転車で前屈みになったときに背中がでないよう、丈が長く、長距離を、補給食を食べながら走るため、背中にポケットがついています(写真2)
最近は、このような古いシルエットのニット素材のサイクルジャージが復刻されたりしているようです。これからもっと流行るかな?