モンステラ・マニアのWEBサイトを立ち上げて12年。

モンステラに実がなること、実は美味しく、デリシオーサの語源はデリシャスと同じらしいということ、味はバナナとパイナップルを合わせたような味ということ、小笠原など南の島では八百屋などでも売っているということなど、情報だけは流してきたが、僕が実際にモンステラの実を食べる機会に恵まれることはなかった。
植物園のモンステラは花が咲いて実もなること、一般の家でも実がなったというニュースも掲載したし、近所の花屋で売っていたモンステラに実がなっているのを発見したこともあった。
モンステラマニアを見てる人からは、食べましたというレポートをもらったこともあった。 でも食べたことはなかった。

そうしているうちに12年が過ぎた。

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先日、知人が屋久島旅行の写真をFacebookにあげていた。その中にモンステラの実が売っている写真を載せている。 その写真に突っ込みを入れていたら「お土産にかっていこうか?」というではないか。 迷わずお願いした。

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現地で購入しもらってからいろいろあって、手元に届くまで1週間。ついにそれがうちに届いた。 まだ青々しているが、包みを開封する前からトロピカルフルーツの香りがぷんぷん。これもバナナか?パイナップルか?
よくわからないがとにかく強烈なトロピカル臭。
すっかり熟してしまっていないか心配だったが、全然大丈夫そう。 青々して触った感じも堅い。 まだまだ食べられそうもないのでビニールに入れたまま常温保存。

食べられるまで一体どれくらいかかるのか?待ちきれるのか?と思いながら、その日はもう寝ようとしていた午前2時。 実の一部がぼろっと崩れている…

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こっ、これは食べごろサインじゃないか!

届いたその日のうちに、全く熟成の気配を見せていなかったものが、突然食べ頃サイン。
あと1日届くのが遅れたら…。
もう寝る前の歯磨きもしたし…
しかしこれは食べるしかないだろう…と、恐る恐るひとつまみ…

 次の日、熟成はさらに進み、袋の中で中程まで崩れかかっている。
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袋から引っ張り出せないほどもろくなっているので、はさみで開封。

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そのとたん表面のうろこ状のものがぼろぼろと落ちていく。
食べられるのはこのうろこ状のものの下の部分だ。
14年もモンステラマニアをやっているので、知識だけはある。

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食べられる部分をつまみ取ってみると、意外と大きい。
黒い砂にまみれているように見えるが、これは実の繊維質で特に問題なさそう。
「トウモロコシのようにぽろぽろ取って食べる」という情報も読んだことがある

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なるほど、とれたところをよく見ると、トウモロコシ。その上にさらにうろこがある感じ。

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断面を見てみたいので、包丁で切ってみる。
トウモロコシを切るイメージで包丁に力を入れると、あまりの柔らかさにびっくりする。
トウモロコシというより、柔らかいフルーツを切ってる感じ。

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断面は?やはりバナナとパイナップルの中間みたい。

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うろこを乗っけてみて、断面はこんな感じだ。

さんざんじらしてきたが、さてその味は?!

思っていたよりうまい。

酸味もわりとあって、みずみずしさも想像以上。 どちらかというと、トロピカルフルーツは苦手な方なのだが、これは食える。
バナナとパイナップルを合わせたような味?そうといえばそうだし、ちがうといえばちがう。 食感がパイナップルで、味は酸味の利いたバナナ? 味がパイナップルで、匂いがバナナ? 複雑…。

子供にも食わせて感想を聞くと、ガムの味だという…。あまりうまそうじゃないな。

でも、うまいことはうまい。うまいが何かある。何か感じる…。なにか刺激がある。
これがもしかして噂の「シュウ酸カルシウム」か?!

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シュウ酸カルシウム(wikiより)

シュウ酸カルシウム(シュウさんカルシウム、Calcium oxalate)は、化学式が CaC2O4 または Ca(COO)2 と表されるカルシウムのシュウ酸塩で、針状の結晶である。無水物と一水和物、二水和物などが存在する。

日本の法令では毒物及び劇物取締法により劇物に指定される。

摂取時の効果

わずかな量のシュウ酸カルシウムを摂取しただけでも、口と喉にひどい灼熱感を持って腫れ、窒息をもたらす。量が多い場合は深刻な消化器障害と呼吸困難を引き起こし、量によっては、昏睡や死亡に至る。深刻なシュウ酸中毒からでも回復することはあるが、不可逆的な肝臓と腎臓の障害が残る場合がある。パイナップルを食べた時に口内が荒れる原因として知られる。また、生のサトイモの茎や葉にも多く含まれており、誤って摂取した際、突き刺さるような刺激を口内に受けることになる(乾燥していないサトイモの茎を食用に調理できるものは、特別に品種改良されたものに限られる)。

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思ったより怖いぞ、シュウ酸カルシウム。

11ヶ月の子供が、同じサトイモ科のフィロデンドロンの葉をかんでなくなったという事例もあるようだ。

う〜む。

そのため、完全に熟すまで食べてはいけないといといわれる。
何となく口の中、食道、胃のあたりが不思議な感覚。 一度にあまりたくさん食べてはいけない、ということもどこかで読んだ。 もっと完熟すれば平気なのか?

売っていたところの説明書きには 「1日に2〜3㎝しか完熟しないので、この1本で1週間ほどチビチビ楽しみながら食べることができます」 と書いてあったはず。 しかしすでに全体が熟してる感じ。どんどんはがれるうろこ。 もう今日一気に食べないと?

話が違うぞ。

でも胃がムカムカする…。 葛藤しながら1/4も食べずに今日は終了。

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ということで想像以上のおいしさと、刺激。
一本でかなりの量が食えるということがわかった。 味はやはりバナナとパイナップルを合わせたような味だ?ということにしておこう。
皆さんも機会があったら是非。 くれぐれも食べ過ぎないように。

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のこったうろこ?の山。 何かに使えないかな?使えないか…。

ところで、WEBを調べていたら、「モンステラの実はバナナと梨の味、和名の鳳莱蕉は、パイナップル(鳳梨)とバナナ(香蕉)を混ぜたような味という事が由来」という書き込みをいくつか見つけた。 それは知らなかったぞ、と思っていろいろ調べだしたら、深みにはまったのでそれはまた今度。