森繁久弥
森繁久弥さん、亡くなりましたね。
森繁久弥といえば、このblogで何度も取り上げている社長シリーズ。
いつも「社長室インテリアNO.1」として社長千一夜を取り上げていますが、
とにかくおもしろいので、見たことない人は是非見てみてください。
カラー化された60年代が、典型的などたばた喜劇でおもしろいです。
内容は、森繁演じる社長が、高度成長期のなか、「我が社」のために奮闘しながらも、演芸好きの三木のり平演じる営業部長が設定する、出張先や夜の接待、キャバレーのママや芸者との浮気と、毎回同じ内容。
そのなかで、森繁久弥のおそらく多くの部分がアドリブと思われる演技や、当時の日本を映し出すセットや出張先のご当地映像がとてもおもしろい。
毎回出てくる、ミッドセンチュリー好きにとって必見の場面が
「大手町のビルのモダンなロビーと社長室」
「キャバレーでのビッグバンドの演奏」(70年代の「社長えんま帖」ではゴーゴークラブやナイトクラブも登場)
「出張先への飛行機シーン」(海外へは必ずパンナム)
「出張先のモダンなホテル」(ロビーや部屋、レストラン、バーなど)
「ちょっとした話で出てくるおしゃれな喫茶店」
「社長の豪華な家」
「商談先のモダンなビル」
など。
社長洋行記では、パンナムで香港へ。アンバサダーホテルの電話は白いコブラホン。
ラテンビッグバンドで踊るストリップ。
社長外遊記ではハワイのミッドセンチュリー&TIKIなホテルのロビーや回転レストラン(たぶんセットなので、回転がぎこちない?)
社長紳士録では、社長の家の寝室にある白いクローゼットは扉が全部角R。
外遊記のホテルの籐椅子が忍法帖や千一夜まで、千一夜で使われた社長室のErwin and Estelle Laverneの椅子がえんま帖や社長学ABCでも登場するので、使い回しのセットもあるようですが・・・
おもしろいのが、続社長忍法帖で「東京新八景」というのが紹介され
「羽田の東京国際空港」
「モノレールと高速1号線」
「赤坂見附の立体交差と当時一番高かったニーオータニ」
「皇居と国会議事堂」(ここは変わってないとせりふで言っているが・・・)
「代々木スポーツセンター」
「駒沢オリンピック公園」
「赤羽台マンモス団地」
「新宿民衆駅」
を映像で見ることができる。
まさにオリンピック直後の東京だ。
高いビルがすくないすくない・・・
「新宿民衆駅」この映画ではじめて知ったけど、民衆駅とは商業駅ビルがある駅らしい。
もちろんモンステラも随所に登場。
DVDはamazonだと2作品くらいしかなかったが、TSUTAYAでは結構借りられるらしい。
CSの日本映画専門チャンネルだと、DVD化されていないモノもたくさん見れる。
追悼で再販や再放送に期待。