【モンステラマニア日記】デリシオーサかボルシギアナか、そんなことはどうでもいい
梅雨まっさかり、降り続く雨の中、満開のあじさいを見つめるベランダのモンステラは何を思っているのか…。はやく真夏の太陽が顔を出すのを心待ちにしてるのだろうか。それとももともと熱帯雨林の植物、この蒸しっとした梅雨こそを喜んでるのだろうか。
モンステラマニアを初めて20年。こんなにこのWEBサイトが続くと思わなかったが、ネットの世界もその間にだいぶ様変わりした。マニアックな仲間たちが議論を交わしたBBSから始まり、人気のみんなの部屋投稿コーナーや自慢のモンステラ写真をたくさん送ってもらったり、ブログで情報発信するようになったり、mixi版をつくったり。今ではすっかりSNSがメイン。SNSになるとどうしても見栄えのよい写真がメインで説明は軽めになってしまう。
20年目のモンステラマニア。今一度、初心に返って、ブログでモンステラや植物、インテリアについてつらつらと書いていこうと思う。
ほぼ毎週水曜日更新。よろしくおつきあい願いたい。
それにしてもこの写真のモンステラ、葉が皆揃ってコンパクト。
“モンステラ・デリシオーサ・コンパクタ”という改良品種も存在するようだが、これはそうじゃない。いわゆるヒメモンステラ、今で言うボルシギアナ。ちょっと前まではアダンソニーといわれていたものだが、どうやら日本に入ってきたときに勘違いされて違う品種と混同したらしい。本当のアダンソニーは大きいマドカズラのような葉。
モンステラマニアでも何度も書いているが、デリシオーサとボルシギアナを見分けるのはとても難しい。持って帰れる程の鉢に入ったモンステラはたいていヒメモンステラ(ボルシギアナ)として売っている。(今でもアダンソニーと書いて売っているのもある)
ところが、育てる環境によっては、巨大化して、どう見てもデリシオーサだろうというほどに育ったりする。逆に環境のせいで、このモンステラのように小さい葉になったりもする。
このコンパクタ化してしまったモンステラは、もともとヒメモンステラ(ボルシギアナ)として、ちょうど20年前にモンステラマニアを開設した頃にお祝いとしていただいたもの。以来一度も植え替えたことがない。しばらく日当たりの悪い場所で育てていたせいか、徒長(葉と葉の間が長くひょろひょろになる)が激しく、幹も細く、黒竹の支柱に縛り付けていた。葉もどんどん小さくなり、ついには切れ目のないポトスのようなはばかり出てくるようになって、下の葉も枯れてきた。なので枯れた葉は全部切り落とし、ひょろひょろの幹を少しくびらせて背を低くし、支柱に結わえ直して思い切ってベランダに出してみた。するとすぐに新しい葉が芽を出して、しかもちょっと切れ目が入ってる。相変わらず葉の大きさは小さかったが、さらに次の芽も出てきたので、これはどんどん大きくなるだろうと思ってたら、次の葉も切れ目はあるが手のひらより小さい。その後出る葉、出る葉皆同じような小さいが切れ目のある葉ばかり。以来判で押したようなかわいい切れ目の4,5本程度の葉しかでなくなった。これはいわゆる矮性化なのだろうか。風貌的にはこれこそ「姫」という感じだが。
よく見ると、根元の茎から新しい芽が出てるではないか!この母親株は切り戻したときに2カ所から芽が出て枝分かれ状態だが、さらにこんな根元から枝分かれをするのか?!しかも10年以上もたってから…。謎の多い株。
うちにはもう一つヒメモンステラ(ボルシギアナ)があった。この株はよく育ち、(といっても徒長していたが)定期的に株分けして増えていった。オンラインショップで売っているwall plantsシリーズの緑のポスターのモンステラは、こいつがモデルだ。
株分けしたうちの1つは、大きめの鉢に植えたのだが、今住んでるマンションが大規模修繕をおこなうときに、日当たりが悪くなりベランダもふさがれるので、マンションの別の敷地に仮置き“疎開”した。そこがよっぽど環境がよかったようで、一夏をそこで暮らして戻ってくると、びっくりするくらい巨大化していた。誰かが立派なモンステラに植え替えてくれたのかと疑ってしまう位の変わり様だ。前からよく育ったとはいえ、あくまでもヒメモンステラの風貌だったのに、疎開先から帰って来たそれは、完全にデリシオーサ化していた。そこからはどんどん葉を出す度にさらに大きくなり、幹もどんどん太くなり、葉の穴を何十個も空ける立派なデリシオーサになってしまった。
写真は親子並んでの姿。もちろん大きいのが子ども。親はずっと年数が長いが葉の大きさは一定。しかしさすがの親子。伸びる姿が同じじゃないか…
モンステラは何を考えているのかいつもわからない。水やりも日当たりも適当に育てたのに、鉢が割れそうなくらい大きくなったので大きい植木鉢に植え替えてやった途端に根腐れしたり、前回切り戻して小分けした茎からみな芽が出て増えすぎたと想ったら、1つだけに絞って育てようとしてたら枯れたり…。どんどん伸びていくら切り戻してもきりがない生命力を見せる鉢があるかと想うと、のんびりほとんど成長しない鉢もある。
だからモンステラはほどほどの距離感で、適当に育てるのがいい。別に育たなくてもいいというくらいでいい…。みんなからよくスパルタですねといわれるが、スパルタ程厳しく育てているわけでもない。
この写真は剪定したものを捨てるのも面倒で、あまってるセラミスに刺していたら小さい芽がでて、しかしそこから2年ほとんど変化無し。枯れたかと思うと新芽が出る。もう少し大きくなったら土に植え替えようと思っているが、そうもならない…。
モンステラマニア20周年。
現在モンステラは7鉢。
続く…
2020年 7月 1日 雨