以前のブログ「インテリアと観賞植物の流行変遷」の続き的記事です。
インテリアショップで行った講演の内容をもとに、書いています。

botanical

NHKのドラマ「植物男子ベランダー」もシーズン3。おもしろいですね。あの独特の感じにどんどんはまってます。

ロケ地になっている「なじみの花屋」に行って、テレビと同じショットを取ったりしちゃってる今日この頃ですが…

「俺は馴染みの花屋に向かった」のエスカレーター #植物男子ベランダー

tetsuro oh!noさん(@bonogo)が投稿した写真 –

植物男子ベランダーでおなじみ「俺は馴染みの花屋に向かった」のお店に来ました。

tetsuro oh!noさん(@bonogo)が投稿した写真 –

原作はご存じいとうせいこうさんの「ボタニカルライフ−植物生活」。

1999年初版です。
モンステラマニアがスタートしたのは2000年。

その頃を思い出してみると、世の中はまさにガーデニング大ブームでした。
1980年代から続く全国で開催されたグリーンフェア。1990年に開催された大阪国際花と緑の博覧会以降、ガーデニングブームが盛り上がっていったようです。
1997年には「ガーデニング」という言葉が、流行語大賞のトップ10に、翌1998年には「現代用語の基礎知識」に「ガーデニング」という言葉が登場したそうです。

ちなみに1997年の流行語大賞は「失楽園」。ほかに「たまごっち」「もののけ」「マイブーム」「郵政3事業」などなど…。

そんな、「ガーデニングブーム」まっただ中にスタートしたモンステラマニアですが、「観葉植物」という言葉は、完全にガーデニングブームにおされて、本屋の棚にも、ずらっと並ぶガーデニング本の売場の端に、ちょっとだけ「観葉植物」の本が置いてある、というような状態でした。植物ショップでも、主役は観葉植物よりは圧倒的にガーデニング系。モンステラですら取りそろえていないお店もたくさんあり、モンステラマニアをスタートした頃は、「どこで買えますか」というような質問がたくさん寄せられました。

いとうせいこうさんの「ベランダー」という言葉も、ガーデニングブームの中、「庭のない都会暮らしでもベランダで花を楽しむベランダー」と言うことで登場したのを覚えています。
NHKの「植物男子ベランダー」を見てもわかるように、“観葉植物”というよりは、“花”がメインですね。
本の説明書きにも「内容紹介:庭のない都会暮らしを選び、ベランダで花を育てる「ベランダー」。そのとりあえずの掟は……隣のベランダに土を掃き出すなかれ、隙間家具より隙間鉢、水さえやっときゃなんとかなる、狭さは知恵の泉なり……。ある日ふと植物の暮らしにハマッた著者の、いい加減なような熱心なような、「ガーデナー」とはひと味違う、愛と屈折に満ちた「植物生活」の全記録。第15回講談社エッセイ賞。」とあります。

同時に、90年代後半から、「ミッドセンチュリーモダンインテリア」が流行しはじめていました。僕もそれに魅せられ、はまっていったのですが、世の中観葉植物人気が低迷していたせいか、せっかくミッドセンチュリーインテリアでかっこよくキメた部屋なのに、観葉植物がなかったり、80年代に流行ったベンジャミンが置いてあったりして、観葉植物までコーディネートが意識されていないことに気づきました。そこではじめたのが「モンステラマニア」だったのです。

ミッドセンチュリーインテリア好きの間で、モンステラマニアの噂が徐々に広まり、モンステラ人気は急上昇。ラジオやテレビや新聞で紹介されるたびに、さらに人気は広がっていきました。
こんな資料を見つけました。


出典:(株)フラワーオークションジャパン
2010年 FAJ鉢物レポート6月 より

大田市場のフラワーオークションジャパンの「モンステラ取り扱い実績」資料によると、
2004年あたりから、販売数量が急上昇しています。
2006年はさらに倍。この年は、モンステラマニアが日経流通新聞や、テレビのバラエティーで紹介されたりしました。
毎年倍増の勢いで、2003年にくらべて、2008年は、実に18倍以上の販売数量になっています。(2003年に4000鉢程度だった取り扱い数が、2008年には75000鉢以上)
まさにモンステラマニアのおかげ??
それはどうかわかりませんが、モンステラだけではなく、観賞植物、インドアプランツの人気がどんどん高まり、逆にこのあたりからガーデニングブームが急速に終わっていったとも言われています。

ネットを見ていると過ぎ去ったガーデニングブームに悲観的な記事をよく見かけますが、感覚的には、ブームが凄すぎただけで、ガーデニングをマイペースで楽しむ人は今でもたくさんいます。
それと同時に、モンステラマニアをスタートした頃からは想像も付かない、現在の植物ブームは、観葉植物もガーデニングもすべて取り込んで、ボタニカルブームとして、大ブームになっているとも言えます。

多肉女子、珍奇植物(ビザールプランツ)、男前インテリアのエアプランツ、プラントハンター、・・・様々な言葉が連日流れてきます。

こんな日が来るなんて。

モンステラが大好きな女の子は?モンガール? 男は?モンメン?  デリガール?ステラおばさん??… モンステラー …  モンデラー…
今日はこの辺で…

BLOG20160720