唐突にラップの歴史を調べてみた。
何が元祖かなんてことはどうでもよく、いろんなものが影響しあっているであろうことがおもしろい。
時代をさかのぼって見ていこう。
僕の中で最新のラップヒット曲はレモンガスやアクアクララのラップ娘かな?・・・
2005年。
いつも渡辺篤史の建物探訪でCMが流れてて、その後ゴールデンもバラエティにも登場するほどに有名になった。最後が「レモンガシュ・・・」になってるこのバージョンがいちばん好き↓

<iframe width=”420″ height=”315″ src=”//www.youtube.com/embed/eLv_sOfaWuc” frameborder=”0″ allowfullscreen></iframe>

いきなりふざけた流れになってしまったが、90年代はちょっと飛ばし気味で、
1994年にゲイシャガールズ。
1993年にRHYMESTERがインディーズで、
1990年にはスチャダラパーがデビュー。
そしてまたCMになってしまうが、
1988年にNTTハローダイヤルのCMで中井貴一がラップをやっている。

<iframe width=”420″ height=”315″ src=”//www.youtube.com/embed/nR7i0hjY–Y” frameborder=”0″ allowfullscreen></iframe>

その一年前。リアルフィッシュというバンドが1987年に「ジャンクビート東京」という曲を出している。

そう、ラップやっているのは桑田佳祐といとうせいこう。
僕もCDもってるけど、参加メンバーがそうそうたるもの。
ちなみにリアルフィッシュの福原まりさんは、コモエスタ八重樫さんとユニットつくったりもしてましたね。
このジャンクビート東京が日本語ラップの先駆けとされているが、
その前年1986年のRun-D.M.C.がエアロスミスのWalk This Wayをカバーした大ヒットをはさんで、
さらに2年前の1984年に佐野元春がCOMPLICATION SHAKE DOWNを出している。

かなり先進的だったとおもうが、それまでの佐野元春のしゃべり方とか歌い方とかをラジオなどで聴いていて、当時これを聴いたときにらしいというか、あまりラップという認識もなくすんなり受け入れて聴いていたような気がする・・・
ほぼ同時期、角松敏生がStep into the Lightという曲を出している。
こちらは佐野元春とは対照的に、当時のNYのすごい人たちを使いまくって完全に洋楽としてつくっている。

<iframe width=”420″ height=”315″ src=”//www.youtube.com/embed/Kx7fSYNVFJo” frameborder=”0″ allowfullscreen></iframe>

このキラキラ感が大好き。
当時角松敏生はリミックスなんかもガンガン出していた。
歌声とメロディーラインから、山下達郎ラインのリゾートニューミュージックなイメージだが、実はいちばんブラックにはまっていたのでは?当時本人は「ブラコンにまっている」って書き方してたな。
この曲が4月。COMPLICATION SHAKE DOWNが6月。そして同じ年の11月に吉幾三が「俺ら東京さ行ぐだ」を出している。
今考えると、すごいタイミングな気がする。
次の年には久保田利伸が提供したIt’s BADで田原俊彦がラップを披露。

ラップに、「ロックは日本語で歌えるか論争」みたいなものがなかったのは、日本語ロックも定着したこともあるし、日本人からすれば、「俺ら東京さ行ぐだ」でもわかるように、ラップって、日本に昔からあるじゃん的な受け入れ方ができたからだろう。
でも逆にそのせいで、スチャダラパーのような存在が出てくるのに時間がかかったのかもしれない。
ということで、これ以前は、日本語ラップはコミック的な扱いの曲がほとんど。
1981年、82年はそんなコミックラップが目白押し。
1981 咲坂と桃内のごきげんいかがワン・ツゥ・スリー スネークマンショー(ラジオでは1980年放送)
1981/12 ドリフの早口言葉(8時だョ!全員集合)
1981/12 邦子のかわい子ぶりっ子 山田邦子
1982 チャカ・ポコ・チャ バラクーダ
1982 うわさのカム・トゥ・ハワイ   ザ・ナンバーワン・バンド

<iframe width=”420″ height=”315″ src=”//www.youtube.com/embed/rZa6IHtxtCg” frameborder=”0″ allowfullscreen></iframe>

バックトラックはめちゃくちゃかっこいいな。

<iframe width=”420″ height=”315″ src=”//www.youtube.com/embed/F-aU9lFgVaw” frameborder=”0″ allowfullscreen></iframe>

ジャケはくびちょんぱ?

そんななか唯一YMOの「ラップ現象」がコミックソングではない使い方か。
一方アメリカでは1979年にシュガーヒル・ギャングのシングル「ラッパーズ・デライト(Rapper’s Delight)」とファットバック・バンドの「King Tim III (Personality Jock)」が発表され、これがヒップホップの元祖とされているようだ。

<iframe width=”420″ height=”315″ src=”//www.youtube.com/embed/diiL9bqvalo” frameborder=”0″ allowfullscreen></iframe>

1986年のRun-D.M.C.でラップに興味を持ったが、アルバムを聴いたらwalk ths way以外はちょっとかったるくて、当時僕の中では期待はずれだったが、こっちの方が全然かっこいいじゃん。
この翌年1980年にクイーンがAnother One Bites The Dustを出している。http://www.youtube.com/watch?v=rY0WxgSXdEE
すでにラップとロックの融合を試みているようにも聞こえるが、それより3年前の1977年に出したWe Will Rock Youだって、歌い出しはラップの様ともいえる。
ラップの歴史は黒人文化によるものであるが、実はもともと、結構ロックともつながりが深い気がする。
エアロスミスのWalk This Wayは、今までのどの曲よりも早い1975年にできた曲。
ラッパーズ・デライトの4年もまえにできている。
Walk This Wayと言う曲がどうしてできたのか調べたがなかなかわからなかった。
初期のラップによくある「ちゃんちゃらちゃん、ちゃんちゃらちゃん、ちゃんちゃらちゃららららん」と言うリズムにもぴったりとはまってるし。(わかりにくいか・・・)
おそらく、もっと古くからあるフォークやカントリーの語り口調的な曲からきてるのかなと言う気がするが。

<iframe width=”420″ height=”315″ src=”//www.youtube.com/embed/bKttENbsoyk” frameborder=”0″ allowfullscreen></iframe>

かなり特殊な曲だよね。
そしてそれよりもさらに9年前。ついに60年代突入。
1965年 ボブ・ディランのSubterranean Homesick Bluesという曲がある。
これがすべての元祖と言っている人たちもいる。

それでもやっぱり、Walk This Wayのラップっぽさは突出してる気が・・・
しかし、日本には、これより全くはるか昔の江戸時代、秋田県にうまれたラップがある。
これが元祖ラップ?
まあここまで行くとお経が元祖でしょ?とかなってくるので・・・
はじめに「何が元祖かなんてことはどうでもよく」なんていっておきながら・・・・
まあ、これが元祖と言っている人をWEBでたくさん見つけたので・・・
ということで秋田音頭をご紹介。

<iframe width=”420″ height=”315″ src=”//www.youtube.com/embed/nfwdCZuargM” frameborder=”0″ allowfullscreen></iframe>

恐るべきことに、さっきいった「ちゃんちゃらちゃん、ちゃんちゃらちゃん、ちゃんちゃらちゃららららん」のリズムだし!「123,123,12345」のリズムっていった方がいいか。
そしてこの曲をドリフターズが1969年に「のってる音頭」でカバーしているのがすごい。

<iframe width=”420″ height=”315″ src=”//www.youtube.com/embed/mxlUhDbuea0″ frameborder=”0″ allowfullscreen></iframe>

イントロ、間奏、すばらしすぎ。これこそヒップホップの元祖か。
僕が調べたのはこれが精一杯。もっと詳しい人教えて〜。
—-4/4付け足し——————————————-
ボブ・ディランの「Subterranean Homesick Blues」のPVをみて、INXSがこれをまねてPV作ったのを思い出した。当時ベストヒットUSAで見た気がするその曲は1987年の「Mediate」

さらにこれを聴くとペット・ショップ・ボーイズの「West End Girls」も思い出した。
ペット・ショップ・ボーイズはラップにしても、ユーロビートにしてもかなり独自路線だった。
こちらはRun-D.M.C.以前の1984年。

さらにペット・ショップ・ボーイズでもう1曲思い出すのが、ダスティ・スプリングフィールドをフィーチャリングした「What Have I Done to Deserve This?」
これはラップというよりも、かなり間奏中の「語り」にも近いが、男性がラップして、ソウルフルな女性ボーカリストがさびのメロディを歌うという現在のパターンの先取りだったか?
1987年。
http://www.youtube.com/watch?v=Wn9E5i7l-Eg&feature=related
そして、重要な曲を忘れていた。
ブロンディの「Rapture」。
白人が最初に成功したラップか?しかもNYでパンクバンドだったブロンディ。
1981年全米1位。かなり先進的か。
http://www.youtube.com/watch?v=xHPikUPlRD8&feature=related
——————4/22付け足し
さらに重要な曲をおもいだした。
1983 Wham Rap! (Enjoy What You Do?) /WHAM!
こうやって時代考証的に見てみると、この曲はかなりポップス化されていてオリジナル度が高い?

——————11/12付け足し
I Feel for You/Chaka Khan
最近もしょっちゅう聴いてるのに、すっかり忘れてた。
Wham Rap!の翌年。この頃は曲のイントロ的にラップを入れるパターン。

年表
——————————————-
1663 秋田音頭
1965 Subterranean Homesick Blues/ボブ・ディラン
1969  のってる音頭/ドリフターズ
1975/4 Walk This Way/エアロスミス
1977 We Will Rock You/Queen
1979 シュガーヒル・ギャングのシングル「ラッパーズ・デライト(Rapper’s Delight)」
1979 ファットバック・バンドの「King Tim III (Personality Jock)
1980 dragon attack/Queen
1980 Another One Bites The Dust/Queen
1980 Ego Trippin’ Out/マーヴィン・ゲイ
1981 Rapture/Blondie
1981 咲坂と桃内のごきげんいかがワン・ツゥ・スリー スネークマンショー(ラジオでは1980年放送)
1981/3 ラップ現象 YMO
1981/12 ドリフの早口言葉(8時だョ!全員集合)
1981/12 邦子のかわい子ぶりっ子 山田邦子
1981グランドマスター・フラッシュ&ザ・フュリアス・ファイブの「The Message」(メッセージ性)
1982 チャカ・ポコ・チャ バラクーダ
1982 うわさのカム・トゥ・ハワイ   ザ・ナンバーワン・バンド
1983 Wham Rap! (Enjoy What You Do?) /WHAM!
1984 I Feel for You/Chaka Khan
1984/4 Step into the Light 角松敏生
1984/6/21 COMPLICATION SHAKE DOWN 佐野元春
1984/11/25 俺ら東京さ行ぐだ 吉幾三
1985 It’s BAD 田原俊彦(作曲:久保田利伸)
1985 West End Girls ペットショップボーイズ
1986 Walk This Way/Run-D.M.C.
1987  Mediate/INXS
1987 What Have I Done to Deserve This?ペットショップボーイズ
1987 ジャンクビート東京 リアルフィッシュ
1988 NTTのハローダイヤルのCM(中井 貴一)
1990 スチャダラパーデビュー(結成1988)
1993 RHYMESTERインディーズ
1994 ゲイシャガールズ
2005 レモンガスCMラップ娘
これらのラップの歴史のiMixを作ってみた。→リンク
icon