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先日のブログでも紹介した、インテリアショップでの講演の内容を、ちょっとずつここでも紹介していきます。

モンステラ・マニアWEBサイトの中でも、インテリアの変遷とともに、観葉植物の流行も変化しているという話しを書いていて、それをポストカードなどにもして販売していましたが、もうそれも15年くらい前。講演では1950年代から2000年代までの変遷を、あらためて独自の視点で、代表的な椅子とデザイナー、それと主な観葉植物を取り上げて紹介しました。

あくまで独自の視点の主なものということですが、それぞれの時代でインテリアやデザイナーの流行があったように、そこに置かれる観葉植物にも流行の変遷がありました。

【50年代】
40年代から、すでにミッドセンチュリーを代表するような革新的な椅子はデザインされていましたが、当時のインテリア写真を見ていると、50年代はまだまだオーソドックスな4本足の椅子に、ゴムノキのようなコーディネートが多く見られます。

【60年代】
モンステラが一番多く見られたのは60年代でしょう。イームズの椅子も普及して、ミッドセンチュリーデザインも全盛です。当時は他にもたくさんの熱帯植物が流行りました。

【70年代】
50年代より60年代、60年代よりは70年代と、カラー的にも鮮やかなモノが使われるようになってきましたが、70年代は、真っ白にコーディネートされたインテリアもたくさん登場します。白いカーペットに白いマレンコ、アーチ状にくりぬかれた白い壁に、ヤシ系の観葉植物。ハンギングプランツのポトスやオリヅルランなども流行りました。
60年代が熱帯ジャングル的な流行だとすると、70年代はさわやかな南のビーチ的なイメージ?

【80年代】
これがなぜ流行ったのか?世界中なのか日本だけなのか?80年代は謎が多いですが、一世を風靡したのは幹をねじって、プードルの足のように、ひょろひょろの幹の上に球状に仕立てられたベンジャミンです。どこの家にも、どこのお店にもあったような気がします。当時学生の私も、インテリアスケッチでよく描きました…。取りあえずベンジャミン入れとくみたいな…
マリオボッタ、倉俣史朗のようなデザイナーズ家具がたくさん出てきたり、庶民的には黒い家電に黒いスチール家具的な感じだったでしょうか。
カフェバーにコンクリート打ちっ放しのマンションなど、トレンディードラマでおしゃれなインテリアにあこがれた時代でもありました。

【90年代】
この時代だけ、二つあげましたが、2大流行が前半のパキラと、後半のクワズイモのような気がします。お店に行ってもこればっかり売っていたような(偏見かな?)
90年代後半にミッドセンチュリーデザインのリバイバルが始まりますが、90年代を代表するデザイナーと言えば、バブルを引きずったフィリップスタルクと、対局を行く無印家具あたりでしょうか?

【2000年代】
ミッドセンチュリーリバイバル全盛時代。モンステラマニアも大人気。しかしもう一つの潮流が。それがナチュラル志向の北欧インテリアと、ウンベラータ人気です。フィカス・ウンベラータですので、ゴムノキやベンジャミンと同じフィカス属ですが、やや薄めの葉が、ナチュラルな北欧イメージとベストマッチしたのでしょう。僕が「モンステラ、モンステラ」とさわいでいたときにも、よく「ウンベラータもいいですよね?」といわれ、危機を感じました…。

このほかにも、こまごまとした流行は当然たくさんありました。2000年代はザミオクルカスなんかも流行りましたね。
そして、これは別にして紹介したのですが、忘れてはいけないのが、定期的にやってくるサボテンや多肉植物の流行です。80年代にも90年代にも、そして今、また…。

このように、観葉植物とインテリアの流行の変遷は密接なモノがありますが、あまりそれを語る人がいません…
モンステラ・マニアでは、観葉植物の普及と言うよりは、インテリアとの関係のほうを強く意識してきたつもりですが、観葉植物大ブームとも言える今、インテリアとの関係より、植物への純粋な興味のほうが一般的には大きくなっているきがします。(なんにも悪いことではありませんが)

それでも、マクラメハンギングの流行、サボテン・多肉植物の水耕栽培など、新しい流行は、のちに、インテリアトレンドと観葉植物の関係として、まとめることとができるようになるのかもしれません。
そのあたりを、講演会では、「ここ10年続く謎の70年代ブーム」と「3大インテリアトレンドとしての”ブルックリン” ”ポートランド” ”カリフォルニア”」の解説に続きます。

余談ですが、こういう話しをするときには、便宜上「○○年代」というようにくくりますが、椅子デザインされた年代や、トレンドを見ていくと、1945〜1954年、1955〜1964年のように、5年ずらした方がしっくりくるのではないかと思うことがよくあります。このあたりを研究している人はいるのかな…