Monstera Mania
モンステラを手に入れようとすると、1m以上もある大きなものや、まだ切れ目もない小さな株、最近流行の根立ち(根上がり、幹上がり)と様々な形が売っていて、迷ってしまいますね。しかし育ててみると、あっという間に大きくなり、全然違う形になってしまい、必ず植え替えや切り戻しなどが必要になってきます。
好きな形を買って維持するもよし。小さな子株をかって好きな形に仕立てるもよし。
モンステラは基本的に蔓性の植物。“へご”や支柱にくっつけて伸ばすのが一般的ですが、幹の部分の太さと長さしだいでは自立も出来るし、気根を使ったテクニックもあります。ここでは、私が自分で作り上げた形や、つくりたいと思っている形、実際にやっている人がいる形などを私のインテリアイラストで紹介します。是非これを参考に、個性的な葉のモンステラを、皆さんの思い思いに個性的なモンステラの仕立てに挑戦してください。(出来上がったら投稿してね!)
生産者の方も是非参考に。
今までは生産者が一番多くつくっていた定番の形ではないでしょうか。“へご”と呼ばれる植物性の支柱や、最近ではプラスチックのネット状の筒などに気根を 這わせ、垂直にわさわさと茂らせる仕立てです。ゴージャスな感じ?。僕の中ではサーフボードの置いてあるハワイアンな広いリビングにぴったりだと思ってい ます。ビルの入り口やお店などのレンタルグリーンもだいたいこれですね。モンステラの幹には、葉の出る方向と、気根の出る「腹」があるのだとか。それを見 極めてへごに気根を食い込ませるにはある程度テクニックが必要だそうです。
ポトスでは多い仕立て方なのに、モンステラではあまりやっている人はいません。でもヒメモンステラやミニマはほとんどポトスと同じ。簡単にできます。気根を生かせばポトスより個性的な感じになりますね。蔓性植物ならではの仕立て。デリシオーサでも出来ないことはないですが、巨大な吊り鉢があるのかな?でもデリシオーサの場合にも高いところからたれ下げる仕立てはあります。これは後日紹介します。
ヒメモンステラやミニマを吊り鉢などに入れる仕立てを、デリシオーサでやったらこんな感じがいいでしょう。これは実際にやってる人を雑誌で見たことがあります。ひょろひょろに伸びたデリシオーサ(大型のヒメモンステラでもいいです)で、葉っぱを少なめに、気根をいい感じに残せば、何とも言えない味わいが出るでしょう。アダルトなモダンリビングや和室にも絶対あいますね。芽は上に登ろうとするので、幹が折れないように、この形にするには、ある程度根気が必要です。いつか僕もつくってみたい仕立てです。
太い幹にエキゾチックな気根がぞろぞろと下がり、上に大きな葉っぱが2~3枚しかないというもの。竹を支柱にしているのがまたいい味わいになります。70年代のロンドンのインテリア書に載っていたものです。最近“根立ち”(根上がり・幹上がり)モンステラが人気ですが、これは僕がずっと前から理想的な形としてモンステラマニアで推奨してきた仕立てですので皆さんご存じですね。根立ちモンステラは、こんなかたちのモンステラを探して業者が増え、規格外から捨てていたひょろひょろのこんなかたちのモンステラを見つけたことから、昨年ブレイクしたようですが、一生懸命推奨し続けた甲斐があったというものです。でも、ほんものの根立ちは長い年月が必要です(最近の根立は太い幹を挿しただけのものも多いですが)。根立しなくても、竹を使った方が僕はモダンな感じがしますね。これをつくったイギリス人のセンスに感服です。モダン、クラシック、和、エキゾチック、ハワイアン、すべてにマッチします。太い幹に大きな葉はやはり魅力的ですね。
これも写真で何回が紹介してますが、切れ込みの少ないタイプのヒメモンステラやミニマは、幹をだらだらと伸ばした方がよい感じになったりします。「ミニマ盆栽」なんて名付けたので、つくるのが難しそうですが、実は、放っておいたらこうなった的な形なのです。デリシオーサよりしなやかな幹なので、伸びてくるとだんだん重力で傾きます。根元が鉢の縁に寄りかかったり、気根に引っ張られたりして、あるところでバランスがとれたり、下についてしまったりしたところで、芽は上に伸びようとしますので、このようにS字になります。セラミスなどを使えば、穴のない器が使えるので、いい感じの渋い器を見つけてくればなんでもOK。でも、もっと伸びてきたら、ここからが難しいですね。そのままサイドボードの上を這わせている知り合いもいました。それもいい感じ。売っている時は複数株が多いですが、一株にしたほうが味わい深くなりますね。
2005年ブレイクの大人気スタイルです。指宿の生産者で規格外として捨てていたモンステラが業者の目にとまり市場に出たらブレイク。2005年末に「現代農業」に掲載されてさらにブレイクしたようです。「竹仕立て」のところでも書きましたが、僕が推奨してきた「太い幹の上の方に2~3枚の大きな葉が理想的な形」というのを実現したものですね。しかし、気根で立ってしまうというところが“想定外”でした。長い年月をかけると、太い幹と何本もの太い気根でバランスを取ってしまうこの仕立てはエキゾチック感が最高ですね。呼び方はこのサイトにも書き込みをしてくれたBIGUPの中村さんが「根上がり」と名付けたようですが、市場では「幹上がり」当呼び名も出てきてます。ぼくがブログで以前書きましたが、「根上がり」というものは通常「根上がりの松」などのように、地中に埋まっている根が長い年月をかけて表に出てきてしまったりするもの。モンステラの場合は幹と気根なので、地中の根が出てきたのとは違いますが、イメージは近いですね。「幹上がり」とは、根元から株が分かれるオーガスターのような植物が、大きくなって、株が分かれる根元に一本になった幹のようなものが地上に出てくる現象です。これも、モンステラの場合はイメージが違いますね。そこで僕は気根で立っているので「根立ちモンステラ」とこのサイトで呼ぶようにしていますが・・・
最近はネットでたくさんの根立ちモンステラが出回っていますが、気根で立っていないものも多くあります。太い幹のものをある長さで切って地中に突き刺してしまば、当然自立するので、似たような形にはなりますね。これなら大きいモンステラを長めに天差しするだけ。簡単につくれます。まがい物といってしまえばそれまでですが、かっこよければよし。ポイントは何度も言いますが、ひょろひょろと伸びた太い幹の上に大きな葉が2~3枚。このシルエットがかっいいのです。でも、根立モンステラを手に入れても、すぐ伸びるモンステラですので、形を維持するためには、いつかは切り戻しをしなければなりません。だったら自分でつくるのもいいかも。
これは僕が住んでいる近くの店にあったものです。どんどん伸びるヒメモンステラをひもで吊って、ショウウインドウ一杯に斜めに伸びていました。インドアグリーンは天井を利用するのもアリですよね。工夫次第でいろいろな形になりそう。
植木鉢に悩んでいる方って多いですよね。僕も、いつも探していますが、なかなかこれだ、というものには巡り会いません。
この植木鉢は、ケーススタディーハウスに代表されるミッドセンチュリー建築に、モンステラと同じように必ずと言っていいほど登場するアーキテクチュアルポッテリーシリーズの植木鉢です。モンステラ同様、ミッドセンチュリーアイコン的デザインですね。日本でも陶器製のものをモダニカで、木と金属で出来たものをFUGAで復刻?してましたが、アメリカではオリジナルの図面から起こしたというVesselというところが、様々なタイプを復刻してます。(でもVesselのものは角が丸っこくて、昔の写真で見ていたものとちょっと雰囲気が違う気がするんですが・・・。)ほどよく伸びた中型のモンステラがぴったりです。このくらいの伸び方だと、ぎりぎりヘゴもいりません。このイラストのシルエットは、実際に僕が育てていたモンステラです。このころが絶妙なバランスだったのですが、それって一瞬なんですよね・・・