artモンステラと植物をモチーフにした新しいアート

Monstera Mania

植物とアートというと、真っ先に思い起こす言葉は「ボタニカルアート」でしょうか。しかし、その「学術的な記録」を発祥とする「ボタニカルアート」は、植物に対するアートという言葉としてはとても狭義的です。

ボタニカルアートの歴史よりはるかに古くから、人間は身近な植物を様々なモノに「柄」として刻み込んできました。日本でも、そして世界でも愛されている「唐草模様」がその代表としてあげられます。古代ギリシャ、メソポタミアやエジプト文明から、唐草模様は様々に形を変え、世界中にそして日本に広がりました。
有機的でありながら、時に自然の造形とは思えないほど幾何学的な形態をみせたりする植物の形は、人の心を癒し、想像力をかきたてます。
植物をモチーフにした模様は、唐草模様だけではなく、世界中の文明や民族で多種多様に発展し愛されてきました。

やがて人々は観葉植物として、「観賞」ということのみを目的に植物を育てる文化が発達します。それと同時に模様として、また絵画として、いかなるところでも植物に癒され、その興味的な形を身につけたい、そばに置きたいという欲求を満たしていきます。

2000年代の現代において、ボタニカル柄ファッションが復活流行しています。ガーデニングブームを経て、インテリアにおける観葉植物も流行を見せています。
私は、ちょうど西暦2000年より、フリーランスのイラストレーター・デザイナーとして活動を初め、同時にこのモンステラマニアのWEBサイトを立ち上げました。そしてその「インテリアにおける観葉植物の啓蒙」という活動に共感していただいた、当時リバイバル大流行していたミッドセンチュリーデザインのインテリアショップとコラボレーションという形で、「ウォールプランツ」という植物をグラフィカルにデザインしたポスターシリーズを発表し、非常に多くの人に反響をいただきました。(その前に、観葉植物と椅子という組み合わせのイラストポストカードも販売していました)

そして今は自身のオンラインショップを中心に、植物をモチーフに、より幅広い表現をつかってジークレプリントのグラフィックアート「プリンツ・プランツ」を販売しています。

ここでは、フリーランス活動とモンステラマニアWEBサイトの立ち上げ当時からつくってきた植物モチーフのグラフィックアートを紹介していきます。
現在も販売されているモノもあれば、すでに廃盤になっているモノ・試作で世に出なかったモノ、自分のためにつくった手作り小物なんかもあります。

WallPlants series 001 monstera (2002年)

wall plants 1 monsteraposter

 まさにミッドセンチュリーデザインブームのまっただ中、当時、目黒通りはインテリアストリートとして人気を博していました。その中で元祖のひとつと言えるショップ「モダニカ」や「マシンエイジ」のお店をやっていた須田氏より、コラボレーションの話しをいただいてスタートしたのが、この大人気シリーズ「WallPlantsシリーズ」。須田氏のもう一つのブランド「ケーススタディーショップ」から発売されました。
 「インテリアと観葉植物」を啓蒙することでスタートした「モンステラマニア」の活動に賛同いただき、「植物が育てられない環境に、植物をモチーフにしたグラフィックポスターシリーズをつくろうよ」ということで、この「Wall Plantsシリーズ」がスタートしました。 発売当初から大反響で、様々なドラマ、cm、映画の中でも登場する、いちばんのヒット商品。現在も一部販売しています。モンステラマニアの活動を世に広めた1枚でもあります。様々な模倣商品が登場しました…。

Modern Living Plants (ポストカードセット2001年)

modern living plants

 モンステラマニアがスタートして、一番最初に製作したのが、このポストカードセットです。当時、ガーデニングブームに押されて、観葉植物人気が低迷していました。ミッドセンチュリーデザインがリバイバル流行して、インテリア人気が広がっていたのに、椅子やテーブルにこだわる若者に対して、
インテリアにおける観葉植物のこだわりの重要性を広めるために、インテリアの流行の変遷と同時に観葉植物にも流行があったということを、当時のデザイナー家具と一緒に、その時代に流行した観葉植物を組み合わせて、デザインしたポストカードシリーズです。解説の文章もつけました。

WallPlants series 002 monstera (2003年)

wall plants 2 monsteramonstera2_w

 「Wall Plantsシリーズ」第2弾。ちょっと趣を変えて、写真を使ったポスターです。ミッドセンチュリー期のグラフィックデザインによく使われる手法の、モノクロ写真に1色重ねるグラフィック。写真のモンステラは自分で育てていた物を撮影しました。グリーンは、耐熱ガラスのマグで50年代に一世を風靡したファイヤーキングの代表的な翡翠カラー「ジェダイ」のようなグリーン。

WallPlants series 003 agave (2005年)

wall plants 3 agaveposter3

 「Wall Plantsシリーズ」第3弾は、いよいよモンステラから離れて、アガベです。ロサンゼルスのミッドセンチュリー建築の外回りでは定番中の定番植物。シリーズ002と同じように、モノクロに1色重ねるグラフィック。今回はアガベはシルエットを描き、バックにミッドセンチュリーモダンな住宅建築を思わせる直線的なグラフィック。素材感のある模様は、うちにある60年代のソファーに付いてるサイドテーブルの大理石天板をスキャンしたもの。
「agave」のスペル自体がかっこよかったので、ヘルベチカの書体で大きめに。