最近、テレビや雑誌のインテリアコーナーなどで聞く「レトロモダン」という言葉の解釈は如何に?多分たんなるレトロでは無く古くからあるモダンとうい響きとも違う、例えばレトロフィーチャーのもう少し軽い物を意味するのではないだろうかと、私思っているしだい。レトロといえば大正昭みたいな、、モダン建築といったらレンガ作りの東京駅みたいな、、そんな古臭いものとは一味違う物、だけど結構昔からあるもの、なのでしょう。イタリアの家具などがそんな特集に多く紹介されているのもそんな感覚からだと思います。
で「モッドイースト」とは何かといえば、それは日本の'50ズ'60ズ〜'70ズの中で今見ても決して懐かしさや古さを感じさせないそれでいて昔からあるもの、さらに西洋のモダンさに日本の高度成長期の勢いや無茶なデザイン感覚を臭わせるもの、、と一口には言えないものなのですがそんな感じなのです。私のなかではアールデコやアールヌーボーはたんなるレトロでバウハウスはレトロフィーチャー、それに影響されたイームスやノール社の家具も勿論、レトロフィーチャーでそれにさらに影響された日本の家具やインテリア用品などはモッドーストなのです。しかし大昔の日本にもそんな物に影響をおよぼした物がありました。浮世絵や日本画がアールヌーボーに影響したように日本家屋独自の整理整頓された畳やしょうじ、白壁などの美しさは'50年代のデザイン雑誌などにも多く取り上げられてます。
コモエスタ八重樫
日本の、それも主に東京の、60年代にたてられた超モダンな建物ばかりを写真に納めた、貴重な作品「MOD EAST」が、ついに発売になりました。最近は、古い建築に関する本はたくさん出ていますが、60年代あたりの、特に日本の建築に焦点のあてた本はほとんどありません。それ以前の建築、いわゆる「レトロ」なイメージの建築については、本も多いし、保存運動なども盛んに行われています。しかし、この「MOD EAST」が取り上げているような建築が、今一番忘れられていて、どんどん消えていっています。
「MOD EAST」は、最初ELLE DECOで特集され、その後AXISで連載、LIVING DESIGNに移って、さらに連載されていました。この取材の間にも、無くなってしまった建物もあるとか・・・
今回の写真集には、なんとコモエスタ氏のソロとしては、実に11年ぶりとなる、CDもついています。CDを聞きながら、写真集を見れば、一気に60年代へタイムスリップ。