コモエスタ八重樫のレコ屋話 その1 プロローグ
最近、東京では、殆どレコ屋通いしない私。しかし地方に行くと足は自然とレコ屋へ向くのです。何故?それはやはり何があるか解らない楽しみがあるからでしょう。今、東京では金さえ積めば結構レア盤手に入るし、「あのレコードをネットでゲット」って話も良く聞く。でも自分の足でそして自分の手を真っ黒して見つけたほうが楽しさも喜びも数倍上じゃありません?北は北海道から南は沖縄、そしてヨーロッパなどで見かけたこんなレコやあんなレコ屋、「ちょっとお茶飲んできなさい」と店主とお客の心暖まる話から「あんたに売るレコードなんてないね!」ととんでもないレコ屋までこの私が実際に行ったレコ屋あれこれ、これから御紹介していきます、好御期待で続く。
コモエスタ八重樫のレコ屋話 その2 ハンター
「ハンター」は東京人にはお馴染み、銀座数寄屋橋とソニービル地下(かっては渋谷や都立大学などにもあった)にある老舗。昔は週1回は行っていた。ジャンルにこだわらず安い値段で売る店ゆえ、かってはとんでもないレコードが超安く手に入ったものだが、ここ最近は本当に珍しいものはちゃんと値がつくようになってしまった、それでも安い。買い取りがメインのお店なので海外買い付けに行く店に比べると珍しい物は少ないのが難点。でも本当にたまに(つまり数年に1回ぐらい)30年や40年前のレコードが入荷する可能性もあるので近所に行くとつい立ち寄りたくなる店でもある。その昔、男が「ハンターーー!」と吠えまくるテレビCMも今となっては懐かしい。
コモエスタ八重樫のレコ屋話 その3 田口商店
博多と小倉にある何でもござれの田口商店。まだレコードマップが無い時代、親戚に教えてもらい初めて行った時の感動は今でも忘れられません。大名にあった(現在は近くに移転)古〜いお店、6〜7段は高くつまれたLPコーナーでは10年は発掘されていなかったような激安のラテン物、私殆ど買いました。そして何より驚いたのがシングル盤。 レア物はべつになっていたけど(それも激安!)他のシングルは定価の1/3というプライス…って事は古ければ古い程安いって…スゴ過ぎじゃない? 現在は変わってしまったけど新しくなったお店でもピコの『アイ ラブ ユー』のLPを確か二千円弱で見つけた事もあるので現在も要チェックなお店なのです。小倉店もネ!
コモエスタ八重樫のレコ屋話 その4 ラテン専門店
下落合のラテン専門店といえば行った事がある人は「あーあそこね!」と苦笑するかもしれない。そう昔ながらの中南米音楽、ラテン、カリプソ、タンゴ、スペインポップスなどの専門店で年輩のお客さんがその中心。ここ5〜6年は行ってないのでまだあるのかな?レコ屋マップで調べてみようかな、、、でもなぁー。とにかく2〜3回行くと人の良いマスターがレコード見る前に「まぁそこに座ってください、今コーヒー入れますよ」と殆ど喫茶店状態。さてレコード見ようとすると「最近はどうですか、、、」なんて世間話に花が咲きしばらくすると「じゃーコーヒーのお代りでもどうぞ、、」本当に親切なマスターなんだけれどなー、いつの間にか行かなくなっちゃいました。
コモエスタ八重樫のレコ屋話 その5 楽しみいろいろ
レコ屋行く時、何が一番楽しいか?たとえば初めてのレコ屋や久しぶりに行く時はその1、レコ屋に向って歩いている時。2、レコ屋のドアを開ける瞬間。その3、何か無いかとレコをサクサクしている時。その4、見たことないけど何か臭いそうなレコを見つけた時。その5、長年探していたレコを見つけた時。その6、レジでお金を払う時。その7、家に着いてターンテーブルに乗せる時。その8、クラブでそのレコ廻してみんなが踊ってくれた時。私の場合、自分では4とか5とか7とかが一番だと思ってたんですけどよーく考えてみたら1→2→3→4→5→7→8と順番通(当然6は無し)りでした。楽しい事って結果よりもその過程なんだよね、皆さんは如何ですか?
コモエスタ八重樫のレコ屋話 その6 特別(最終回)
一番強烈なレコ屋話、それは「説教されて無茶苦茶高いレコを勧められるレコ屋!」。これ有名な店で私も10年位前に行ったある地方のこの店の事、最後にお話しょう。店主「君はレコード何枚持ってるのかな?」私「数えきれないくらいかなー」店主「そのレコード、私の話聞いたら全部捨てたくなるんじゃよ」私「!?」店主「本当に良いレコードは最初にプレスした数枚なんじゃ」と店の後ろからレコード取り出す、なにしろ店にはレコード10枚位しか置いてない!「これを特別に売ってあげようかいな」と人が欲しいレコードとは関係ないものを見せる。「これが1万なんぼなんて安いじゃろう」私再び「!?」これ実話ですがもうこの店無くなったようです。
コモエスタ八重樫